地方発「デザインでつながるイベント」にワクワクした理由 ―さくデ。2012感想―






「さくデ。」とは、

長野県佐久地域のデザイナーやアーティストなどが結成した「D39」というグループが、エンドユーザーと理解やつながりを深めるために開催したイベントです(たぶん。HPやパンフをもとに意訳)。

会場はギャラリー、味噌蔵、食堂、お寺、佐久勤労者福祉センターの5ヶ所。「デザインで地域とつながる」「デザインで農業とつながる」「デザインで自分がつながる」の3つを軸に、展示、野菜などの販売、シンポジウム、参加型イベントなどが11月30日から12月2日までの3日間に渡って行われました。

特に私が何か関わっているわけではなく、普通にお客さんとして、ギャラリー、味噌蔵、お寺に遊びに行かせていただいたのですが、とても楽しかったです。

なぜ楽しかったのかを説明する前に、まずは佐久の皆様に謝らなければいけません。

私は佐久に引っ越してきてからというもの、常にさみしく残念な思いを抱えておりました。知り合いゼロとかそういうことは置いといて、とにかくワクワクしないのです。生活に必要なものはたいてい手に入る。不便というわけではない。でも、ワクワクしない。

某大手ショッピングセンター、スーパー、チェーン店。嫌いではないしお世話にもなっていますが、どんなにクオリティが高くても、同じものは東京にも鳥取にもAmazonにもあります。生まれも育ちも都会であれば、山や川などの自然にもっとワクワクしたかもしれませんが、田舎育ちの私にとっては見慣れた景色のバージョン違いにしか見えませんでした。

どうやら私は「ここにしかないもの」がたくさんある、しかもただ数多くあるわけではなく「多種多様」であることにワクワクするタチで、それを自力で満たすことがほとんどできていなかったのです。

そんな私にとって、さくデ。はまさに希望でした。大げさですけど。ほんとに。

どこでも何でも手に入る今、デザインという「人間が行う工夫」は究極の「ここにしかないもの」だと思います。それが、映像作品から家具から雑穀米から参加型イベントまで、「多種多様」に集まっていたのも良かった。ただ映像作品だけとか家具だけの展示だったらここまでワクワクしなかったはずです。

例えば、デザイン感覚診断。

これは「この3つの椅子から好きなものを1つ選んでください。値段を見たり、実際に座ったりしても構いません」というような質問がいくつもあり、答えていくと自分が物を選ぶときに何を重視するかがわかる、というもの。



素敵な食器や家具がたくさんあったので1つ1つ質問に答えるのが単純に楽しかったし、最後に診断結果を占い師風に教えてもらえるのも面白かったです。ちなみに私は色や形重視で、デザインやものづくりをする男性に多い型だと言われましたw あと、機能も気にしているあたり、理想と現実の間で悩むことが多いですねとも…。後半、当たり過ぎてて怖いんですけど…。前半もちょっと思い当たるフシがあるし…。

で、これは最後に各自が1番重要視していると診断された基準の場所に、年齢・性別・ひとことコメントを書き込んだシールを貼って終了。みんなで診断結果を教え合ったりしてワイワイ楽しめました。古いお寺が会場で、それもとても雰囲気があってよかった。



もちろん他の展示や企画もとても面白かったです。出展された作品は、今後さくデ。のサイトで紹介されるようです。

いやあ、佐久にもちゃんとワクワクできるものあった。私が見つけられていないだけだった。私をワクワクさせてくださったD39の皆様、本当にありがとうございました。

さくデ。 佐久デザインフェア2012
http://d39.jp/sakude/about.html


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