刃の鋭さが違う!「広告コピーってこう書くんだ!読本」に斬られて。

いろいろなところでオススメされており、いつか「読みたい」ではなく「読まねば」と気にかかっていた本、「広告コピーってこう書くんだ!読本」を2015年末から2016年始にかけて読みました。

前提として、私は一応、2005年から現在まで(いま気付いたけど10年経っとる!)、出産で中断したりしてますし、本当に名乗るのもアレなくらい一応ですけれども、コピーライターやライターのはしくれとしてお仕事させていただいておりまして、「マスコミ業界に就職を希望している大学生」とか「いきなり社内でSNS担当になっちゃったサラリーマン」よりかは少しだけ経験がある人、ということになります。

そんな「一応、初心者以上」の自分にとっても、この本はすごく良かったです!


刃の鋭さが違う。


かなり基礎的なことから書いてあるので、当然「以前どこかで聞いたことのある話」も含まれているんですが、もうね、一太刀一太刀浴びせられる刃の鋭さが違う。

例えば、「1つの課題に対して、とりあえず100本コピーを書け。その中からいいものを選べ。」ということは、かなりよく聞くやり方だと思います。私も昔先輩に言われました。

それを、著者である谷山雅計さんはこう表現します。「コピーの”書く”は、「散らかす→選ぶ→磨く」」だと。ここで「散らかす」という言葉のチョイス。凄すぎませんか。しびれます。

「たくさん書く」ではなく「散らかす」という言葉を使うことで、「不格好でも構わん!思い込みにとらわれず、いろんな方向性で案を出せ!」という姿勢まで伝わってきます。

もう全編、一事が万事、この感じ。

文字を追うだけならさらっと読める本ではありますが、さらっと読ませるためにいかに心血注いでエピソードを選び、言葉を選び、一冊の本として磨き上げたんだろか…と制作の工程を想像すると、ちょっとクラっと気が遠くなる感じがします。

コピーライターの方はぜひ、「自分だったら、コピーを書くことを、後輩やクライアントにどう説明するか?」を意識して読んでみてください。私だったら絶対こんな鋭い刃は出せません。


テーマは、「センス」や「感性」に頼らないコピーの書き方。


本来だったらこちらを先に紹介すべきなんでしょうが、ちょっと刃の鋭さにやられすぎて順番が入れ替わってしまいました。

谷山さんはご自身のことを「センスがない」と度々おっしゃっています。谷山さんの「センスがない」と私の「センスがない」を一緒にしてしまってはマズいと思いますが、この本は「センス」や「感性」に頼らないコピーの書き方について書かれています。

なので、「自分ってセンスないなあ」というコピーライターやコピーライター志望の方はもちろん、「どうもこの人、コピーはセンスだと思ってるな…」というクライアントさんや営業さんなどと一緒に読むのもとっても良いと思います。激推ししてみるとか、送りつけてみるとか、勉強会をしてみるとか。

こういう「共通言語」があると仕事も進めやすいし、広告効果も変わってくるんじゃないでしょうか。自分の手の内を知られるということは、コピーライター側としてはある意味プレッシャーではありますが…。そこは越えていきましょう!(笑)


斬られて幸せ。


もうこの一言に尽きます。ぜひ気持ち良く斬られてください。おすすめです。



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