【就職や転職活動にも使える!】選挙公報を赤入れしてわかった、自己PRの基本4原則。

任期満了に伴う佐久市長選と市議選(定数28)が4月7日に告示され、私の手元にも選挙公報が届きました。各候補者、公約や実績など、アピールしたいことだらけであろうと思います。

限られた誌面の中で、いかにアピールしたい内容をまとめているのか。投票する候補者を決めるためだけではなく、就職・転職時の自己PRや広告制作にも役立つ部分が多いのではないかと思い、赤ペンを片手に拝見させていただくことにしました。

全体的な印象としては、もうものすごくもったいないものが多かったです。もっともっと良くなる余地がいっぱいあります。以下、私が赤入れさせていただいた内容を書かせていただきます。


▶「具体性がない」「差別化できてない」

1番多く赤入れした内容がこれでした。特に「医療・福祉に力を入れます」「子育てがしやすい街にします」など、漠然とした目標だけが書かれているパターンがとても多かったです。

そりゃ医療や福祉や子育て環境が充実すれば嬉しいですよ。みんな充実させたいと思っているでしょう。佐久市の市長・市議というかなり狭い括りでは、目標や理想が似通ってくるのはある程度仕方がないと思います。掲げた目標を「どんな手段で実現するのか」こそが各候補者の腕の見せ所であり、他の候補者との差別化ポイントになるのではないでしょうか。

選挙ですよ。全員が当選するわけではないのです(まあ市議選は定数28人に対して候補者29人なので、1人しか落選しないのですが…)。ぜひ自分を選んでほしい、自分は他の候補者とはここが違うんだ、という主張が伝わってくるものがあまりにも少なかった印象です。

就職・転職活動で「御社で大ヒット商品を開発したいです!」だけ言われても「うん、みんなそう言うよね、言うだけならタダだよね」となるのではないでしょうか。自分ならこんな手段を使う、という具体的な策を併せて伝えることで、説得力が増して他者との差別化も図れるのではないかと思います。


▶「実績」「なぜ市長・市議になろうと思ったのか」

目標やそれを実現する手段の他に大きく自分を差別化できるポイントが、今までの実績や今の自分に何ができるかだと思うのですが、こちらも具体性に欠け、差別化できていないものがとても多かったです。

目についたパターンとしては、「実績」ではなくただの「経歴」でしかないもの。もったいない!もったいないですよ!市長や市議を目指されるからには、皆さん何かしらの実績があるのではないかと思います。私は理想で票を集めて実現力が伴わなかった事例を目の当たりにして以来、「いいこと言ってるけど、本当にできるの?」という部分を重視するようになりました。「こんな実績がある人なら、この目標を実現できそう」という裏付けとして、上手にアピールしないと損だなあと思うのです。

惜しいパターンとしては、ひたすら肩書きだけを列挙している方。「◯◯委員長」だけだと、その委員会を知らなければ凄さがわかりません。「◯◯についての意見書を提出」や「◯◯の改善に携わる」などと書いてあればわかりやすいと思います。

現職の方は今までの実績をアピールすれば良いのですが、経歴を見ていると「なぜ市長・市議になろうと思ったんだろう」と疑問に感じる方がちらほらいらっしゃいました。「◯◯の経験から佐久市の◯◯について問題意識を持ち、市長・市議を志すこととしました」の一文だけでもあれば、納得感が全く異なります。これは異業種・異職種の転職で使えるパターンですね。

どちらにしても「実績で目標を裏付ける」ことを意識すると良いのではないかと思いました。


▶「当たり前」「どうでもいい」

言葉が悪いですが、この2つも結構書きました。「佐久市の明るい未来のためにがんばります!」などが「当たり前」。郷土愛などをつらつらと書いた部分は「どうでもいい」です。

佐久市のためにがんばること、佐久市を愛していることが無意味という意味ではありません。それは全員同じなので、敢えてアピールする必要がないと思うのです。少ない誌面をこのような言葉に費やすのは本当にもったいないことだと思います。しかし、悲しいかなこのような言葉に限って大きな文字で目立つ場所に書かれています。選挙カーでウグイス嬢さんが連呼される言葉もこのような言葉が多いです。具体性も差別化も皆無です。

このような言葉は削るか、どうしても書きたいのであれば小さな文字で押さえで書く程度にして、目標を実現する手段や実績を具体的に書いた方が良いと思います。

就職・転職活動であれば「御社のためにがんばります」「御社が大好きなんです」と言っているようなもの。あってもマイナスにはなりませんが、それよりも自分の優秀さをアピールすることに時間を費やした方がいい、と考える私はドライすぎるでしょうか(笑)。


▶まとめ

・全てにおいて「具体性」「差別化」を意識する
・目標を書いたら必ず「目標を実現する手段」を書く
・「実績」で目標を裏付ける
・「当たり前」のこと、「みんな同じ」なことは重要度が低い



なんかまとめるとものすごく基本的なことになった気もしますが、本当に全てきっちりできている方は少なかったです。実は私が原稿を手伝わせていただいた方もいらっしゃるのですが、他の方の原稿と並べて見ることで新たな気付きがたくさんありました。

こんな感じで日々精進しておりますので、選挙に限らず、自己PR、店舗や企業のPRなどご用命いただければ全力で脳みそ振り絞らせていただきます!どうぞよろしくお願いいたします。


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