あなたに会いたい理由は、



あなたはちょっと開けた
わたしの心のドアを
あなたはドアを開けた

(ミス・パラレルワールド/相対性理論)

人に会うのが好きで、知人に紹介していただいたりSNSで気になる人に自分から声をかけたりして、いろんな方にお会いしています。それはもちろん相手に興味があるからというのが第一義なのですが、部屋の掃除をしながら前述の歌を聞いていて気付いたことがあります。

誰かに会うことで「自分では見つけられなかった自分」に出会うことが異常に面白く、相手への興味に次ぐウエイトを占めてしまっているのです。「何かお仕事につながればいいなあ」という営業的なモチベーションを超えることもしばしば。結局興味があるのは自分かよ、と嫌気が差さないでもないですが仕方ありません。

実際に作詞された方の意図はわかりませんが、「心のドア」は心そのものの入り口ではなく、心の中にモンスターズインクのワンシーンのように無数に並んでいるドアで、それを開けるといろいろな考えや感情が出てくるようなイメージです。

自分の心の中なのに、自分では場所も開け方も存在すらもわからないドアが人にはいくつもあって、それを事も無げにホイホイ開けちまう人というのが時々いるのです。わざとなのか無意識なのか、そういうのが得意な方なのかそれとも単なる相性なのかわからないけれど。

「あなたって◯◯な人ですね」と言っていただくこともあれば、相手との会話の中で「私にこんな一面があったんだなあ」と気付くこともあって、どちらもとても面白い。「自分の良さを引き出してほしい」というほど利己的なものではなくて、純粋に発見を楽しんで、そこから起こる感情に適当に身を委ねて遊んでるような感覚です。自分探しという言葉は嫌いですが、これも「自分探し」と呼ばれるものなら甘んじて受け止めようとすら思います。

というわけで、私に声を掛けられた方、あなたが面白そうなのが悪い!あなたが私の心のドアを開けた、もしくは開けられそうな気配を見せたのが悪い!と思って観念してください。私の趣味に付き合わせてしまってすみません。


私と会ってくださった方へ、これから会うかもしれない方へ。



樋口千春


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